彦根城
国宝指定
彦根城の天守は姫路城、松本城、犬山城、松江城と並び国宝に指定されています。これら5つの国宝天守はそれぞれ独自の建築様式を持っています。
歴史
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彦根城は1604年に井伊直継によって築城が始まり、1607年ごろに天守が完成しました。
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天守は大津城から移築されたもので、建築材には慶長11年(1606)の墨書が確認されています。
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江戸時代を通じて井伊家が藩主を務め、政治の中心として機能しました。
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明治時代には解体の危機がありましたが、明治天皇の保存決定により現存しています。
構造
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天守は3階3重で、切妻破風・入母屋破風・唐破風など多様な屋根構造を持ち、美しい外観が特徴です。
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通し柱を使わず各階を積み上げる古い形式で建てられており、櫓の上に望楼を乗せた独特の構造です。
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堀は内堀、中堀、外堀の三重構造で防御性が高い設計です。
|他の城には見られない彦根城の特徴
江戸時代の遺構の保存状態
彦根城は堀や石垣、天守など多くの設備が良好に保存されており、日本で最も江戸時代の政治体制を象徴的に伝える城とされています。
能舞台の現存
城内に専用の能舞台が残る唯一の城であり、能文化を伝える貴重な施設です。
茶道具と雅楽器コレクション
井伊家による茶道具や雅楽器コレクションが博物館に残されており、日本有数の文化財として知られています。
移築された天守
彦根城の天守は大津城から移築されており、他の城には見られない歴史的背景を持っています。この移築により急速な築城が可能となりました。
多様な屋根構造
天守は「切妻破風」「入母屋破風」「唐破風」を組み合わせた複雑な屋根構造を持ち、美しい外観が際立っています。他の城と比べて装飾性が高い点が特徴です。
軍事的工夫
天守の壁には防弾目的で栗石が詰められており、鉄砲時代に対応した設計が施されています。このような構造は他の城ではあまり見られません。
