城の構えの種類

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城の構えには、立地や設計に応じて多様な種類があり、それぞれの地形や時代背景、防御目的に合わせて工夫されています。
 
代表的なものには「平城」「山城」「平山城」「水城」などの位置分類や、「梯郭式」「連郭式」「輪郭式」「渦郭式」「惣構え」などの縄張り分類があります。

1.立地による分類

①平城(ひらじろ):

平地に築かれた城。防御が弱いため堀や土塁を多用。
例:江戸城大阪城名古屋城など

 

②山城(やまじろ):

山や丘陵地に築かれた城。 自然の地形を考慮して防御力が高く、互換性は低い。
例:高取城、岩村城など

 

③平山城(ひらやまじろ):

平地小山や丘の上に築かれた城。 防御と適応性のバランスが良い。
例:姫路城彦根城熊本城など

 

④水城(みずじろ):

海や川などの水辺を利用し、防御力を高めた城。
例:高松城今治城など

2.縄張り(設計)による分類

1)輪郭式(りんかくしき)

  • 本丸を中心に、二の丸・三の丸が「回」の字型に取り囲む構成。本丸を中心に二の丸・三の丸など同心円状に配置される。

  • 長所:四方の防御バランスが良く、理想的な配置とされる。特に平城に多い。

  • 短所:広い平地が必要で、地形の制約を受けやすい。

 

2) 梯郭式(ていかくしき)

  • 本丸の一方または三方を二の丸などが囲む構成。本丸はやや片寄った位置になることが多い。

  • 長所:自然地形(川や崖)を活かして防御力を高めやすい。平山城や山城に多い。

  • 短所:本丸背後が城外に近くなり、大砲などの遠距離攻撃には弱い。

 

3) 連郭式(れんかくしき)

  • 本丸・二の丸など主要な曲輪を一直線に連ねる構成。本丸・二の丸・三の丸が直線または連続して配置される。

  • 長所:山の尾根など細長い地形を活かせる。築城が比較的容易。

  • 短所:防御力が最も低く、敵に突破されやすい。

4)渦郭式(うずかくしき):

曲輪が渦巻き状に配置され、迷路のような構造となる方式。螺旋式ともいう。
例:江戸城など
 

5) 惣構え(そうがまえ)

  • 城だけでなく城下町全体を堀や土塁で囲む構え。

  • 長所:長期間の籠城や都市全体の防衛が可能。

  • 短所:大規模な工事と維持管理が必要。

  

6)その他の特殊な構え

  • 円郭式:曲輪を同心円状に配置。実例は少ない。

  • 群郭式:独立性の高い曲輪が林立する構成。例:知覧城(鹿児島県)

 

3.その他

  • 出丸・出城
    本城から目立った位置に設けられた防御施設や小規模な城郭

  • 曲輪(くるわ)
    本丸・二の丸・三の丸など、城内を区画するための囲い

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