新発田城
歴史
新発田城(しばたじょう)は新潟県新発田市に位置する平城で、戦国時代に新発田重家が本拠地としていた「旧新発田館」を基に築かれました。1587年、新発田重家の乱によって上杉景勝が城を奪取。
その後、1598年(慶長3年)に溝口秀勝が入封し、新発田藩の拠点として築城が開始されました。完成までには約56年を要し、1654年(承応3年)に三階櫓が建てられました。江戸時代には藩庁として機能しましたが、明治維新後の廃城令で多くの建物が取り壊されました。
現在は復元された三階櫓や辰巳櫓、本丸表門などがあり、「日本100名城」に選定されています。
構造
新発田城は以下の特徴的な構造を持つ平城です。
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三階櫓: 実質的な天守として機能した三重三階の櫓。T字型屋根を持ち、3匹の鯱(しゃち)が飾られている日本唯一のデザインです。
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本丸・二の丸・三の丸: 曲輪が堀や石垣で囲まれており、防御力を高めています。本丸は舟形状で「舟形城」とも呼ばれる。
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石垣と土塁: 石垣には「切込接ぎ」の技法が用いられ、一部は土塁で補強されています。
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現存建造物: 本丸表門と二の丸隅櫓は国の重要文化財に指定されています。
他のお城にはない特徴
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①T字型屋根と鯱
三階櫓の屋根は日本唯一のT字型であり、3匹の鯱が配置されている点が非常に珍しい点です。 -
②海鼠壁の採用
冬季積雪対策として一部建物に海鼠壁(なまこかべ)を採用しており、美観と実用性を兼ね備えています。 -
③自衛隊敷地内との共存
城跡の大部分が自衛隊駐屯地として利用されており、「戦国自衛隊の城」という愛称もある独特な状況です。 -
④歴史公園として整備
城址公園は桜や菖蒲など四季折々の自然美を楽しめる場となっており、日本の歴史公園100選にも選ばれています。
新発田城はその独特な構造と歴史的背景から、観光地としても高い評価を受けています。
