32.伊達政宗の家紋
竹に雀(仙台笹)
たけにすずめ(せんだいざさ)
この家紋の判が押されているご城印
・鶴ヶ城(会津若松城、福島)
笹紋の1つ。雀を一緒に描いた「竹に雀」は10.上杉家と同様。
「仙台笹」では、笹の葉が円の形で描かれた竹の外側にも描かれているのが上杉家の「竹に雀」との違い。
「竹に雀」の家紋とは
ーなぜ伊達家の家紋と上杉家の家紋は似ている?ー
- 伊達藩の伊達政宗の大叔父が上杉家に養子に入る話がまとまった際、上杉家から伊達家に「竹に雀」家紋が贈られました。その後、その養子に入るという話は破談にはなったのですが、伊達家ではその後も「竹に雀」の家紋を使い続けました。
- 次第に両家の家紋に違いがみられるようになっていったのですが、基本は「竹に雀」です。
なお、伊達家の家紋はこれだけではありません。伊達家では時期によって家紋に変遷があり、また使い分けも行われていました。
三引両紋、竹雀紋、菊紋、桐紋、九曜紋、雪薄紋(ゆきすすきもん)、牡丹紋(ぼたんもん)蟹牡丹(仙台牡丹)という8種類の家紋が用いられていたとされています。
参考:伊達家伯記念會
伊達政宗騎馬像の「伊達三日月」の意味とは?
伊達政宗の鎧兜に取り付けられている装飾は「三日月」と表しています。この「伊達三日月」は何を意味しているのでしょうか。
- ご存じのとおり、月にはその形状によっていろいろな呼び方があります。「新月」・「二日月(繊月)」・「三日月」・「上弦の月」・「満月」というように呼び名が付いています。
- 月は全く光って見えない「新月」から始まり(つまり夜が真っ暗になる)、「二日月(繊月)」→「三日月」→「上弦の月」というように徐々に月が満ちて大きくなり「満月」で真ん丸なお月さまになります。
- 逆に「満月」を境に今度は徐々に月が欠けて小さくなり、「新月」になるとまた全く光って見えない状態に戻るというサイクルを繰り返しています。
伊達政宗の鎧兜に取り付けられているのは、このいくつかの形状の月のうち「三日月」になります。
これは、 このあと「より大きく」・「さらに満ちていく」ということを表しているわけです。上昇・運気アゲアゲとでもいいましょうか。これからますます上向いていくことをこの三日月を表していることになります。
左向きの三日月と右向きの三日月の違いは?
ただし、気をつけなくてはならないのは、この運気上昇を表している三日月は左向きの三日月ということです。左向きの三日月はこのあと満月に向かって満ちていきますが、満月の後は今度徐々に欠けていきます。
満月→下弦の月→右向きの三日月→新月という流れで月は欠けて行きます。
- この欠けていく右向きの三日月は運気の下降を想定させるため、ゲン担ぎのために会社のトレードマークを変更させたといわれている大企業があります。
- それが石鹸などで有名な「花王」(kao)です。
*引用:
日経スタイル