松本城
歴史
松本城(長野県松本市)の前身は1504年に築かれた「深志城」とされ、戦国時代には武田信玄が拠点としました。その後、小笠原貞慶が1582年に奪還し「松本城」と改名。
1590年には徳川家康の家臣・石川数正が入城し、天守を含む城郭整備を進めました。江戸時代以降、複数の藩主が治めましたが、明治時代の廃城令で解体の危機に直面。地元住民の尽力で保存され、現在は国宝に指定されています。
構造
松本城は平地に築かれた「平城」で、現存する天守12城の中で日本最古の五重六階天守を持ちます。主要な構造物として以下があります。
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大天守: 五重六階。
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乾小天守: 大天守と渡櫓で連結。
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渡櫓: 天守同士を繋ぐ建物。
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辰巳附櫓と月見櫓: 江戸時代初期に増設された優雅な建築。
また、防御用の「鉄砲狭間」や「石落とし」など戦国時代の戦いを意識した設計が随所に見られます。
他のお城に見られない特徴
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黒漆塗りの外壁: 松本城は黒漆塗りの外壁が特徴的で、「烏城(からすじょう)」とも呼ばれます。この黒漆塗りは全国でも珍しく、美しいコントラストを生み出しています。
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異なる時代の建築様式: 戦国時代末期の防御重視の天守と、江戸時代初期の平和な時代を象徴する優雅な月見櫓が共存しており、戦いと平和の両面を体現しています。
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傾き修正の痕跡: 明治時代に傾いた天守を修復した際の縄跡が柱に残っており、歴史的保存活動の証拠となっています。
|松本城が黒い理由は?
松本城が黒く塗られている理由は以下の通りです。
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①防腐効果
黒漆は木材の防腐効果を高めるために使用されました。漆には耐水性や防腐性があり、天守の長寿命化に寄与しています。 -
②権威と威厳の象徴
黒色は当時、権威や威厳を象徴する色とされており、城主の力強さを示す意図がありました。 -
③敵への威圧感
黒い外観は敵に対して心理的な威圧感を与える効果もあったと考えられています。 -
④視認性の低さ
黒色は夜間に目立ちにくく、防御面で有利になるという実用的な側面もありました。 -
⑤伝統的な素材と技術
松本城の黒漆は鉄分を混ぜて作られたもので、化学塗料では表現できない深い光沢と美しさを持っています。この技術は日本古来の職人技術に基づいています。
松本城の黒漆塗りは、実用性と美学が融合した独特の特徴であり、現在でも頻繁に塗り替えが行われ、その美しさが維持されています。
|松本城と桜
全国の多くの城においては桜の木が植えられており、松本城も例外ではありません。
松本城では300本程度の桜が植えられています。
